本記事では共分散行列 の代わりにその逆行列である精度行列 を用います。
ウィシャート分布
ウィシャート分布は以下のように表されるのでした。
です。
※ は行列、行列 が正定値であることを表しています。
はウィシャート分布の正規化項です。
対数を取ると以下のようになります。
事後分布
多次元ガウス分布に従う 個のD次元の連続値データ が与えられた時の平均 と精度行列 の事後分布を求めてみます。
の事前分布には多次元ガウス分布の平均と精度の共役事前分布であるガウス-ウィシャート分布を用います。
は固定されたハイパーパラメータです。
また、 は確率の乗法定理を使って以下のように書けます。
(8)、(9) より
です。
事後分布 を確率の乗法定理を用いて分解します。
(12)より と を別々に求めることにします。
まず、 を求めます。ベイズの定理を用いると以下の式になります。
(13)に対数を取って、 についてまとめます 。
(14)より が多次元ガウス分布になっていることが分かります。
の平均と精度を とおき、 について整理します。
(14)と(15)の係数を比較します。
次に、 を求めます。
その前に にベイズの定理を適用します。
(12)より
となります。(19)に(18)を代入します。
対数を取ります。
(21)を計算していくのですが、そのまま計算すると式が見にくくなってしまうので各項毎に についてまとめつつ計算します。
について計算します。
について計算します。
について計算します。
について計算します。
(22)、(23)、(25)の式変形にはトレースの公式を用いました。
(22)、(23)、(24)、(25)を(21)に代入します。
(29)より がウィシャート分布になっていることが分かります。
のパラメータを とおき、 について整理します。
(29)、(30)を係数比較します。
(12)、(16)、(17)、(31)、(32)より、 がガウス-ウィシャート分布になることが分かりました。
偉人の名言
天才?そんなものは決してない。ただ勉強です。方法です。不断に計画しているということです。
ロダン