定義
ベクトルや行列のスカラーについての微分を考える必要があることがあります。
以下で、
「ベクトルのスカラーによる微分」、「行列のスカラーの行列による微分」、
「スカラーのベクトルによる微分」、「スカラーの行列による微分」、「ベクトルのベクトルによる微分」を
恐らく日本で一番読まれている機械学習の本「パターン認識と機械学習」(以下、PRML)に従って定義します。
数学的には「ベクトルで微分」というのはおかしな話ですが、
微分の連鎖率が使えたり、式の見通しがよくなるので、そういったものを定義したんだと思います。
ベクトルのスカラーによる微分は、それ自身ベクトルであり、その各要素は
によって与えられ、全成分書き出すと以下のように書けます。
行列のスカラーによる微分は、それ自身行列であり、その各要素は
によって与えられ、全成分書き出すと以下のように書けます。
スカラーのベクトルによる微分は、それ自身ベクトルであり、その各要素は
によって与えられ、全成分書き出すと以下のように書けます。
スカラーの行列による微分は、それ自身行列であり、その各要素は
によって与えられ、全成分書き出すと以下のように書けます。
ベクトルのベクトルについての微分は、それ自身行列であり、その各要素は
によって与えられ、全成分書き出すと以下のように書けます。
微分の流儀
微分の流儀には「Numerator-layout notation(分子に従う流儀)」と「Denominator-layout notation(分母に従う流儀)」があります。
「ベクトルのスカラーによる微分」、「行列のスカラーの行列による微分」、
「スカラーのベクトルによる微分」、「スカラーの行列による微分」はDenominator-layout notationであり、
「ベクトルのベクトルによる微分」はNumerator-layout notationです。
あと組み合わせ的には、「ベクトルの行列による微分」、「行列のベクトルによる微分」、「行列の行列による微分」がありますが、
Matrix calculusの表を見て分かる通り、触れていないので、本記事でも触れません。
「スカラーのスカラーによる微分」は単なる1変数の微分ですので、本記事では取り上げません。
偉人の名言
天国への道は地獄からはじまる。
ダンテ
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なし