ニュートン法は真の解に近い近似値から出発すると、収束が極めて速いことが知られています。
回目の反復の近似値と真値との値の差をとすると、回目の反復の近似値と真値との値の差をは
ほぼの定数倍であり、これを2次収束といいます。
2次収束 - 1変数の場合
真の解をとし、回目の反復の解をとおきます。
をテイラー展開します。
の3行目は、であることを利用しました。
ただし、はの乗あるいはそれ以上のべき乗に比例する微小な項です。
より、の逆数は次のように書けます。(※後でこの式変形について説明します。)
1変数の場合のニュートン法の更新式は以下の式でした。
のを計算します。
の3行目の式変形での乗以上の項はにまとめています。
をに代入します。
の式変形では(どうせ)無視するので、符号はにしています。
より、高次の微小量を無視すると、前ステップの2乗に比例するので、2次収束することが分かりました。
まだ説明していないの式変形について説明します。
一般に、微小量の級数の逆数が次のように展開されるとします。
の分母を払います。
の右辺を展開します。
の両辺の係数比較します。
の連立方程式を解くと、次のようになります。
ゆえに、次のように展開されます。
2次収束 - 多変数の場合
真の解をとし、回目の反復の解をとおきます。
をテイラー展開します。
の3行目は、であることを利用しました。
ただし、はの乗あるいはそれ以上のべき乗に比例する微小な項です。
を勾配とヘッセ行列を用いて書きなおします。
ここで、を成分とする行列をとおきました。
より、の逆行列は次のように書けます。(※後でこの式変形について説明します。)
多変数の場合のニュートン法の更新式は以下の式でした。
のを計算します。
をに代入します。
より、高次の微小量を無視したときに、は以下のようになります。
より、誤差はほぼ前ステップの誤差の2乗に比例することが分かります。
まだ説明していないの式変形について説明します。
一般に行列が微小量に関してと展開できるとします。
ただし、です。
この逆行列が以下のように展開されるとします。
ただし、です。
の両辺にを左から掛けます。
の右辺を展開します。
の両辺のの同じ次数の係数比較します。
の連立方程式を解くと、以下のようになります。
ゆえに次のように展開されます。
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ベンジャミン・グラハム
参考文献
これなら分かる最適化数学 p93-p97
動画
なし