はじめに
本記事は、確率的主成分分析の最尤推定をEMアルゴリズムで解く の続編的記事です。
ベイズ的主成分分析
グラフィカルモデルは以下です。
確率的主成分分析では、 は定数でしたが
本記事のベイズ的主成分分析では、 を確率変数とします。
主部分空間を定義する の各列ベクトルに対して、事前分布として独立なガウス分布を設定します。
それぞれのガウス分布は精度パラメータ をにより支配される独立な分散を持ち、次のように与えられます。
ここで、 は の 番目の列ベクトルです。
エビデンス近似による の更新式
エビデンス近似は、データ点の数が比較的多く、対応する事後分布にはっきりしたピークが立つ場合に
妥当な方法です。
※データ点が多くない場合は、ラプラス近似を使うようです。
PRML上巻 3章の議論を用いると、 の更新式は以下のようになります。(すみませんがこれについてはPRMLを読んでください。)
について
は確率的主成分分析の最尤推定をEMアルゴリズムで解くの記事同様、最尤解の を用います。
Eステップ
今回のモデルの完全データの対数尤度関数は以下のようになります。
式 に潜在変数の事後分布 の期待値を取ります。
式 より、Eステップは確率的主成分分析の最尤推定をEMアルゴリズムで解くの記事と同じです。
Mステップ - の更新式
式 より、 の更新式も確率的主成分分析の最尤推定をEMアルゴリズムで解くの記事と同じです。
Mステップ - の更新式
先に を の 成分 で微分します。
式 より、以下が成り立ちます。
ここで、 です。
を で微分して、 とおきます。
式 が の更新式です。
の計算については、PRML演習問題 12.15(標準) wwwを参照してください。