機械学習基礎理論独習

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PRML演習問題 4.15(標準)

問題

(4.97)で与えられるロジスティック回帰モデルのヘッセ行列\bf Hが正定値行列であることを示せ。
ここで\bf Rは、要素をy_n(1-y_n)とする対角行列であり、y_nは、入力ベクトル{\bf x}_nに対するロジスティック回帰モデルの出力である。
したがって、誤差関数は\bf wの凸関数であり、唯一の最小解を持つことを示せ。

参照

\begin{eqnarray}
{\bf H}=\nabla\nabla E({\bf w})=\sum_{n=1}^Ny_n(1-y_n){\boldsymbol\phi}_n{\boldsymbol\phi}_n^\top={\boldsymbol\Phi}^\top{\bf R}{\boldsymbol\Phi}\tag{4.97}
\end{eqnarray}

解答

誤差関数が凸関数で唯一の最小解を持つことを示すには、目的関数のヘッセ行列\bf Hが正定値行列であることを示せばよいです。

任意のベクトル{\bf u}\not={\bf 0}に対して、{\bf u}^\top{\bf H}{\bf u}>0となることを示します。

\begin{eqnarray}
{\bf u}^\top{\bf H}{\bf u}&=&{\bf u}^\top{\boldsymbol\Phi}^\top{\bf R}{\boldsymbol\Phi}{\bf u}\\
&=&{\bf u}^\top{\boldsymbol\Phi}^\top{\bf R}^{\frac{1}{2}}{\bf R}^{\frac{1}{2}}{\boldsymbol\Phi}{\bf u}\\
&=&\left({\bf R}^{\frac{1}{2}}{\boldsymbol\Phi}{\bf u}\right)^\top\left({\bf R}^{\frac{1}{2}}{\boldsymbol\Phi}{\bf u}\right)\\
&=&||({\bf R}^{\frac{1}{2}}{\boldsymbol\Phi}{\bf u})||^2>0\tag{1}
\end{eqnarray}

(1){\bf R}^{1/2}{\bf R}={\bf R}^{1/2}{\bf R}^{1/2}を満たすものとします。

(1)y_n\in(0,1)であるため、\bf Rの対角成分はすべて正です。
よって、||({\bf R}^{\frac{1}{2}}{\boldsymbol\Phi}{\bf u})||^2>0となります。

目的関数のヘッセ行列\bf Hは正定値行列であることが示せました。

このヘッセ行列\bf Hは目的関数の2階微分であり、正定値を持つので、目的関数は凸関数で唯一の最小解をもちます。

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