機械学習基礎理論独習

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PRML演習問題 8.10(基本)

問題

すべての変数が観測されていない図8.54に示される有向グラフを考える。
a\mathop{\perp\!\!\!\!\perp}b\ |\ \emptysetを示せ。
今、dを観測したとする一般にa\mathop{\not\perp\!\!\!\!\!\!\perp}b\ |\ dであることを示せ。

参照

図8.54
cの子孫ノード(すなわちノードd)が観測されたときの
head-to-head 経路a-c-bの条件付き独立性を考えるためのグラフィカルモデルの例
f:id:olj611:20210917133634p:plain:w250

解答

図8.54の有向グラフより、以下の式が成り立ちます。

\begin{eqnarray}
p(a,b,c,d)=p(d|c)p(c|a,b)p(a)p(b)\tag{1}
\end{eqnarray}

(1)c,dについて周辺化します。

\begin{eqnarray}
p(a,b)&=&\sum_c\sum_d p(a,b,c,d)\\
&=&\sum_c\sum_d p(d|c)p(c|a,b)p(a)p(b)\\
&=&p(a)p(b)\sum_c\sum_d p(d|c)p(c|a,b)\\
&=&p(a)p(b)\sum_cp(c|a,b)\\
&=&p(a)p(b)\tag{2}
\end{eqnarray}
(2)より、a\mathop{\perp\!\!\!\!\perp}b\ |\ \emptysetが示せました。

aからbの経路で、cがhead-to-headであり、cの子孫dが観測済みである為、
aからbの経路はcによって遮断されません。
よって、a\mathop{\not\perp\!\!\!\!\!\!\perp}b\ |\ dであることが示せました。
※有向分離については、PRML下巻p91を参照してください。

補足

本問題はa\mathop{\not\perp\!\!\!\!\!\!\perp}b\ |\ dを有向分離基準ではなく、数式で導くのが正しいのかもしれません。
こちらで、深い考察を行っているようなので、参考にしてみてください。

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