機械学習基礎理論独習

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PRML演習問題 8.17(標準)

問題

8.38に示される形のN=5ノードのグラフを考える。
ただしx_3およびx_5は観測されているとする。
有向分離性を使ってx_2\mathop{\perp\!\!\!\!\perp}x_5|x_3を示せ。
8.4.1節のメッセージパッシングアルゴリズムp(x_2|x_3,x_5)の計算に用いたとき、結果がx_5の値に依存しないことを示せ。

参照

8.38
f:id:olj611:20210927202649p:plain:w600

\begin{eqnarray}
&&p(x_n)=\dfrac{1}{Z}\mu_\alpha(x_n)\mu_\beta(x_n)\tag{8.54}\\
&&p(x_{n-1},x_n)=\dfrac{1}{Z}\mu_\alpha(x_{n-1})\psi_{n-1,n}(x_{n-1},x_n)\mu_\beta(x_n)\tag{8.58}
\end{eqnarray}

解答

8.38に示される形のN=5ノードの無向グラフは以下のようになります。
1
f:id:olj611:20210927220845p:plain:w400
有向分離性を使う為、図1を有向グラフに変換すると、図2,32種類の有向グラフができます。
2
f:id:olj611:20210927220910p:plain:w400
3
f:id:olj611:20210927220940p:plain:w400
2、図3において、x_2からx_5への経路はx_3を通り、そこでhead-to-tailであり、x_3は観測済みであるため、
有向分離性により、x_2\mathop{\perp\!\!\!\!\perp}x_5|x_3です。

p(x_2|x_5,x_3)を計算します。

\begin{eqnarray}
p(x_2|x_5,x_3)&=&p(x_2|x_3)\tag{1}\\
&=&\frac{p(x_2,x_3)}{p(x_3)}\\
&=&\frac{\dfrac{1}{Z}\mu_\alpha(x_2)\psi_{2,3}(x_2,x_3)\mu_\beta(x_3)}{\dfrac{1}{Z}\mu_\alpha(x_3)\mu_\beta(x_3)}\tag{2}\\
&=&\frac{\mu_\alpha(x_2)p(x_3|x_2)}{\mu_\alpha(x_3)}\tag{3}
\end{eqnarray}
(1)x_2\mathop{\perp\!\!\!\!\perp}x_5|x_3を用いました。
(2)は、式(8.54)と式(8.58)を用いました。
(3)は、PRML下巻のp104の中ほどにある、\psi_{2,3}=p(x_3|x_2)を用いました。

(3)の因数\mu_\alpha(x_2)x_1,x_2のみに依存し、\mu_\alpha(x_3)x_1,x_2,x_3のみに依存し、p(x_3|x_2)x_2,x_3のみに依存するため、
p(x_2|x_5,x_3)x_5には依存しないことが分かります。

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