2次形式
定数の対象行列と変数ベクトルに対して、
をの2次形式と呼びます。
を対象行列と限定するのは次の理由の為です。
の対象部分と反対象部分を以下のように定義します。
より、であるため、は対象行列であることがわかります。
また、であるため、は反対象行列であることがわかります。
より、は次のように書けます。
をに代入します。
よって、2次形式においてはは初めから対象行列と仮定します。
の3行目で、であること用いています。
これは半対象部分の成分がのときはであるので打ち消し、のときはであるので
となります。
という説明ではわかりにくいと思うので、具体例を用いてを示そうと思います。
を以下の行列とします。
は以下のようになります。
を計算します。
の2行目でとしているのは、の対角成分が0であるためです。
2次形式の係数行列を対象行列と約束する別の説明
上記で示した方法と異なる方法で「2次形式の係数行列を対象行列と約束する」ことを説明します。
とは限らない係数の2次形式はであるため、
と書けます。
と定義すれば、であるので
と書けます。
よって、2次形式の係数行列を対象行列と約束します。
2次形式の等式からいえる事
任意のに対して、であれば、
任意のに対して、であれば、
2次形式の微分
が対象行列として、をで微分します。
の2行目ですが、
第1項はの場合、第2項はの場合、第3項はの場合と場合分けしています。
第4項の場合はの場合ですが、偏微分するとになるので、書いていません。
これはベクトルの形で次のように書けます。
2次形式で係数行列が対象行列でないときの微分
係数行列が対象行列でないときについても考えてみます。
が対象行列とは限らないとして、をで微分します。
これはベクトルの形で次のように書けます。
で、係数行列が対象行列であれば、と等しいことが分かります。
双1次形式の等式からいえる事
任意のに対して、であれば、
任意のに対して、であれば、
偉人の名言
人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見ればコメディだ。
チャールズ・チャップリン