ギブスのツノは約9%
一般に不連続部におけるギブスの現象(ツノ)の大きさは、本来の左右両極限値の約 %であることが知られています。
これについて、具体例を通して求めていきましょう。
具体例
周期 の周期関数
をフーリエ級数に展開すると、となります。図1
ここで、初項から 項までの部分和でできた関数を とおくと、
となります。は奇関数なので、 付近の極大値を求めてみることにしましょう。
式 を で微分します。式 の両辺に を掛けます。 で は極値を取らないので、 とすると、式 より、です。
ここで、 のとき、 より、となります。
図1に示すように、不連続点 の正側の付近で が極大となる の値は 式 に を代入したものです。
よって、 は で次の極大値を取ります。式 を区分求積法を意識して、変形します。式 の下線部は、 と 軸と 軸で囲まれた図形を 等分した長方形の和になっています。
よって、 とすると、となります。
よって、ギブスのツノの大きさは、 で、
これは本来の左右両極限の差に対して、 、すなわち約 %に相当します。
参考文献
フーリエ解析 キャンパス・ゼミ p90-p93