ベルンシュタインの定理とは
ベルンシュタインの定理は集合の濃度に関する定理で、とても重要です。
ベルンシュタインの定理は以下のように言い換えもできます。
ベルンシュタインの定理の言いかえ
証明
単射 と が存在したとする。任意の に対して、 の部分集合 を
によって定めます。このとき、任意の に対して、が成り立ちます。 のイメージを図1に記しておきます。
図1
次に、 を満たす の部分集合 全体からなる集合族を とします。
については、図1などでしっかりイメージしてください。要は、 の部分集合のうち、 を満たす集合の集合が ってことです。
ここで、
とおきます。(※フォントの異なる D です。また部分集合族の和集合になっていることに注意しましょう。)このとき、等式が成り立つことを示します。
を示すには、 かつ を示せばよいです。
まず、 を示します。
任意の に対して、 であり、また、 なので、 より
また、 の の定義より、が成り立ちます。
より、 なので、が成り立ちます。
ですが、部分集合の和集合は部分集合であることを使っています。
次に、 を示します。
であり、 より、 なので、
より、 が成り立つので、。( の定義を確認してください。)
ゆえに、
以上より、 が成り立つことが示せました。
よって、 が成り立つから、
より、集合 は単射 によって に写されます。(図2参照)
図2
このとき、 の定義域を に制限し、終域を に変えた写像 は全単射だから、
その逆写像 が定義されます。最後に、写像 をによって定義すると、 は全単射となるので( のイメージは図3参照)、 が成り立ちます。
図3
最後に
Web上には、ベルンシュタインの定理の証明は帰納法を使ったものが多かったので、帰納法を使わない証明を記事化しました。
ポイントは、 の箇所かと思います。
帰納法を使った証明も記事化予定です。(ホンマか?)
参考文献
はじめての集合と位相 p75-p76