機械学習基礎理論独習

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点列の収束

実数列 {a_n} とは、各自然数 n にそれぞれ実数 a_n を体操させたものであから、写像 a:{\mathbb N}\rightarrow{\mathbb R};n\mapsto X のことであると考えられます。

定義 8.16

任意の集合 X に対し、写像 s:{\mathbb N}\longrightarrow XX の点列といい、各 n\in{\mathbb N} に対し、s(n) を点列 s の第 n 項という。ただし、本書では、点列の第 n 項を x_n などで表し、このとき点列を \{x_n\} で表す。

定義 8.17

距離空間 (X,d) の点列 \{x_n\} が点 x\in X に収束するとは、任意の正数 \epsilon に対して、ある自然数 n_\epsilon が存在して

\begin{eqnarray}
(\forall n\in{\mathbb N})(n > n_\epsilon\ ならば\ d(x,x_n) < \epsilon)
\end{eqnarray}
が成り立つことをいう。このとき、xx_n の極限点という。点列 \{x_n\}x に収束するとき
\begin{eqnarray}
\lim_{n\rightarrow\infty}x_n=x\ または\ x_n\rightarrow x
\end{eqnarray}
で表す。

図1: 定義8.17のイメージ
f:id:olj611:20220226051224p:plain:w350

約束
本書では、特に断らない限り、次数列は {\mathbb E}^1 の点列であると考えます。

定義 8.19

実数列 \{x_n\} が実数 x に収束するとは、任意の正数 \epsilon に対して、ある自然数が存在して、

\begin{eqnarray}
(\forall n\in{\mathbb N})(n > n_\epsilon\ ならば\ | x - x_n | < \epsilon)
\end{eqnarray}
が成り立つことをいう。

定義 8.19 は定義 8.17 の実数列バージョンです。(定義8.19はあえて書かなくてもよいかもしれない。)

補題 8.20

距離空間 X,d) の点列 \{x_n\} が点 x\in X に収束するためには、実数列 \{d(x,x_n)\}0 に収束することが必要十分である。

命題 8.21

直積距離空間 (X,\rho)=\displaystyle\prod_{i=1}^n(X_i,\rho_i) の点列 \{p_k\} と点 p に対して、

\begin{eqnarray}
&&p_k=(x_k(1),x_k(2),\cdots,x_k(n)),\ \ k\in{\mathbb N},\\
&&p=(x(1),x(2),\cdots,x(n))
\end{eqnarray}
とおく。このとき、p_k\rightarrow p\ (k\rightarrow\infty) であるためには、各 i=1,2,\cdots,n に対して、x_k(i)\rightarrow x(i)\ (k\rightarrow\infty) が成り立つことが必要十分条件である。

x_k(n) という表現が分かりにくい場合は、x_{kn} と考えると分かりやすいかもしれません。
命題 8.21 は、直積距離空間の点列が収束するためには、各座標ごと収束することが必要十分であることを示しています。

参考文献

はじめての集合と位相 p108-p111

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