2次形式の最大値、最小値
対象行列に対する単位ベクトルに対する2次形式を考えます。
※ベクトルが単位ベクトルでないと、いくらでも2次形式の値を大きく(小さく)できるため、を単位ベクトルで考えているのだと思います。
の固有値をとし、対応する単位固有ベクトルの正規直交系をとします。
任意の単位ベクトルは、と展開できるから、次のように書き直せます。
式で等式が成り立つのは、のとき、すなわちのときです。
同様に、式の不等号の向きを変えた次式も成り立ちます。
式で等式が成り立つのは、のとき、すなわちのときです。
以上より、対象行列の単位ベクトルに対する2次形式の最大値、最小値は
それぞれの最大固有値、最小固有値に等しく、
そのに対応する単位固有ベクトルはです。
に直交する単位ベクトルの2次形式の最大値、最小値
次に、に直交する単位ベクトルを考えます。
に直交する任意の単位ベクトルはと展開できます。
したがって、2次形式は次のように書けます。
式で等号が成り立つのは、のとき、すなわちのときです。
ゆえに、に直交する単位ベクトルに対して、は
2番目に大きい固有値に対する単位固有ベクトルのとき、最大値をとります。
以下、同様に考えて、
に直交する単位ベクトルに対して、は
番目に大きい固有値に対する単位固有ベクトルのとき、最大値をとります。
最小値についても同様であり、
に直交する単位ベクトルに対して、は
番目に小さい固有値に対する単位固有ベクトルのとき、最小値をとります。
偉人の名言
とどの詰まり、最高の証明とは経験である
フランシス・ベーコン
動画
なし