MAP推定とリッジ回帰
MAP推定とリッジ回帰の関係という記事で
事前分布を平均は、共分散行列は等方的な分布としたときに
についてMAP推定することと、
二乗和誤差関数と二次正則化項の和を最小化することが等価であることを示しました。
これを利用して、リッジ回帰(L2正則化)のパラメータを推定してみます。
MAP推定の記事より、事後分布は
でした。とおくと、
となります。
事前分布は
です。
尤度は
です。
周辺尤度
周辺尤度を計算します。
は以下の公式を使えば、積分計算せずに求まります。
のとき、
が成り立ちます。
この公式にのように当てはめると
となります。
対数を取ります。
ここで公式より、の第2項は
でとおきました。
ウッドベリーの公式
をとして、の第3項に適用します。
をに代入します。
では以下のようにおきました。
周辺尤度の最大化
対数周辺尤度を最大化するを求めるのですが、解析的に求めるのが難しい為、
の更新式を導出し、繰り返し法で解を求めます。
行列を行列で対角化します。
すると、行列にも対角化ができます。
式の導出については、後で説明します。
よって、
となります。
をで微分します。
対数周辺尤度をで微分してとおきます。
でを以下のようにおきました。
がの更新式です。
の右辺のはを含むので、はに関する陰関数になっていることに注意してください。
となります。
をで微分します。
対数周辺尤度をで微分してとおきます。
はの更新式です。
の右辺のはを含んでおり、はに依存するので、
はに関する陰関数になっています。
に関する更新式が求まりましたので、収束するまで繰り返せば、近似解が求まります。
MAP推定とリッジ回帰の関係の記事より、リッジ回帰のはなので、
となります。
偉人の名言
できると思えばできる、できないと思えばできない。
これは、無情なゆるぎない法則である。
パブロ・ピカソ